昨季セ・リーグのセーブ王、巨人・沢村拓一投手（28）が今季狙うのは通算セーブの球団新記録。だが歴代の守護神が飲み込まれてきた、3年目のジンクスが立ちはだかる。

沢村は20日、中大の後輩の日本ハム・鍵谷とともに合同自主トレ先の米ハワイから帰国。日焼けした肌とひげで野性味を増し、「100メートルの遠投を連日、ずっとやっていた。（春季キャンプでは）どんどんブルペンに入りたい」と順調な仕上がりをアピールした。

抑え転向1年目の15年は60試合に登板して36セーブ、昨季も63試合登板でリーグトップの37セーブ。角三男とクルーンが持つ通算セーブの球団記録93まであと27とし、今季はG史上最強守護神の称号が射程圏内だ。

ただ、昨季は勝負どころで背信投球が目立ち、クライマックスシリーズ中に抑えの座をマシソンに譲った。信頼低下は明らかで、球団は新たな抑え候補として最速164キロを誇る前大リーグ・マリナーズのカミネロを補強した。
新記録への挑戦権はマシソンを含めた三つ巴の守護神争い次第。沢村は「プロの世界は競争。しっかり勝ち抜きたい」と気勢を上げた。

自信の根拠は近年にない体調のよさにある。「ハワイ3年目で、どこも痛いところがなく１カ月やれた。一昨年は肩、去年は足底（足の裏）でトレーニングを制限された」と明かした。

だが人気球団の抑えにかかる心身の負担は甚大だ。投手の分業制が確立されて以降、3年続けて抑えを全うしたのはクルーンだけ。その3年目も防御率4点台と、ほうほうの体だった。
抑え2年目の13年に球団新記録42セーブを挙げた西村も、翌25年は開幕早々に打ち込まれ守護神の座を追われた。2年にわたり過酷な重圧にさらされてきた沢村にも、勤続疲労の影が忍び寄って不思議はない。

巨人の歴代守護神の限界点となってきた3年目。その豪腕で壁を突き破れるか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170123-00000021-ykf-spo